2016年6月7日【 ecec on sns

給食のさくらしんまち保育園

 TBSテレビの『あさチャン!』という番組から取材を受けました。6/6(月)7:40から放映される子どもの偏食をテーマにしたワンコーナーだそうです。少し映るだけだと思いますが宜しければご覧ください。さくらしんまち保育園は『給食』をとても大切にしています。今回はその理念と取り組みの一端をお伝えしたいと思います。
 まずは給食の食材からです。集団給食において食材にこだわるには限界があります。しかし近所の八百屋さんやお肉屋さんなどから直接仕入れる様にしています。可能な限りトレーサビリティを確保するために顔が見える形での仕入れを心がけています。冷凍食品や出来合いのものを避け、手作りの温かいものを提供する様にしています。(乳児の午前おやつのみ既製品を使っています。)
 次に調理についてです。調理方法にも様々な工夫があります。刻み方から火加減、味付けに至るまで栄養士は様々なノウハウを蓄積しており、そのレシピは書籍として出版される程です。また、保育園や小学校、老人介護施設などの給食室には通常、栄養士は1人だけで、あとは調理員という人員配置です。国や区の基準でもそうなっています。しかし、さくらしんまち保育園では給食室の職員全員が栄養士です。これはとても珍しい例です。
 また、給食室の厨房はガラス張りで中がよく見える造りになっています。子どもの目線で調理の一部始終が見える様にするためです。午前中は園舎内に香りが立ち込め、調理過程を見て、聞いて、匂って感じることができます。お家の台所の様な厨房が理想です。
 いよいよ給食の時間が近づいてきます。子どもの中には早く食べたい子もそうでない子もいます。なぜなら登園時間が違うからです。7時過ぎに来る子と9時過ぎに来る子は朝食の時間が2時間違います。身体の大きさや活動量も違うでしょう。一人ひとり、食べたいと思う時間は違って当然です。私たちが自分が食べたい時間に食べられる様にしているのはそのためです。また食事の時間を選べるということは、誰と食べるかを選べることにもなります。仲良しの友だちを誘って食事に行くことが可能になります。一人で食べる孤食を避けるため、幼児は5人揃ってからいただきますをすることになっています。この5人グループを作ることが子どもにとって協調性を育む経験になります。2人組や3人組は比較的作りやすいのですが、5人組となるとそれぞれの思惑もあり、衝突することもしばしばです。
 食べたい時間に食べたい友だちとランチルームに来たら、次は配膳です。自分の食べたい分量をカウンターにいる先生に伝えて、自分好みの盛り付けにしてもらいます。大盛りから少なめ、苦手なものを取り除いたり、極端な例ではその品だけ食べないという選択も可能です。配膳する職員はその子にあった分量を把握していますので、その子と言葉を交わしながら提供していきます。
 このように調理の様子を感じられる環境作り、食べたい時間に食べたい友だちと食べたい分量をもらうこと、この全ては子どもを主体的に食事に向かわせることがねらいです。毎日毎日繰り返す食事の場面で自分で選ぶ経験を積み重ねています。
 次回のこの紙面では配膳後どの様に食事を進めるかについて書かせて頂きたいと思います。
 毎日お迎えに来た保護者の多くが給食のサンプルケースを覗いてくださいます。ドレッシングの配合を聞いてくださる方もいらっしゃいます。保護者が子どもの食に高い関心、高い意識を持っていることは私たちの励みです。

以上

コメント

  • 池村多恵子 より:

    さくらしんまち保育園の給食に非常に関心があります。こどもたちの食への関わり、日常の様子を是非見学してしたいなと思いました。見学はかのうですか?

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