2016年6月9日【 ecec on sns

給食のさくらしんまち保育園(その3)

 ぽっぽぐみの赤ちゃんたちは食育とは無関係でしょうか。そんなことはありません。私たちの取り組みは離乳食から始まっています。通常、離乳食の段階は初期.中期.後期タンパク質有無.完了の5段階です。当園ではステップ1~8までの8段階としています。段数が多い程一つひとつの段差は低くなりますので、赤ちゃんがギャップを感じることも少なくなります。段階を上げる際まれに両方の段階の離乳食を用意することもあります。段階を行き来する余裕を持つためです。また赤ちゃんの課題に合わせて、食材の硬さや大きさを変えて咀嚼を促したり、手づかみ食べを促したりもします。赤ちゃんは生活リズムに差がありますので、離乳食の時間も個々で異なります。もし大人都合で離乳食を提供すれば、空腹で泣きぐずったり、空腹を通り越して眠くなったり、逆にお腹が空いてなくて食べなかったりと、大人にも赤ちゃんにも厳しい状況になってしまいます。離乳食は食べるタイミングが大切です。赤ちゃんが食べたいと思った時にスムーズに提供することが成功のカギを握っています。そのために当園では離乳食が10時00分には出来上がる様にしており、早く食べた方がいい子から順番に食べる様にしています。幼児さんが自分の食べたいタイミングでランチルームに向かうとご説明しましたが、赤ちゃんもその子が食べたいタイミングで食べるという点では同じなのです。
 もし偏食の子がいたら、その子は何が苦手なのかを詳細に調べる様にしています。葉物が苦手だと言ってもそれがキャベツなのかほうれん草なのか、キャベツだとしたら根元に近い厚い部分なのか葉先に近い部分なのか、刻み方によっては食べられることがあるか、火の通し方、味付けによっては食べられることがあるか、できるだけ詳しく何が苦手なのかを突き詰めていきます。場合によっては午前中の活動量が不十分かも知れません。お家での朝食は何をどの位食べたか、睡眠時間はどうか、給食を食べる時間はその子に合っていたか、どの友だちと食べるかで影響はあるか、食具は発達に合っているか、などなど一口に偏食といってもその理由は多岐に渡ります。給食会議では給食を入り口に、生活、遊び、人間関係、その子の発達状況まで話が展開します。その意味では給食はその子の全てを表すといっても過言ではありません。給食会議と銘打っていますが、内容は『all about その子』に行き及びます。給食会議は私たちの子ども理解の要です。
 面白いアプローチをご紹介します。2歳児クラスのランチルームは自分の食べる場所がシールで決まっています。2歳児の子どもの人間関係を担任が分析して、良い影響を与え合う子ども同士を近くに座らせます。野菜が苦手な子の前に野菜をもりもり食べる子を座らせたり、世話好きの子のとなりにお世話が必要な子を座らせたり、その時々の個々の課題を子ども同士の関わりの中でクリアできないかと試みるのです。さらに食事中にふざけてしまう子を頭ごなしに叱るだけではなく、1歳ランチルームに留学させて、年下の見本となり、たくさん褒められる経験をさせたり、逆に幼児のランチルームに留学させて刺激を受けさせることもあります。同年齢や異年齢の子どもとの関わりもの有効なアプローチの一つです。
 さて、他の保育園でも食育の一環としてよく取り組まれているのが栽培活動です。幸運なことにさくらしんまち保育園のお隣りさんは農協さんです。栽培のプロ中のプロである農協さんに色々と教えて頂きながら、夏野菜の栽培やプランターでの稲作、いもやりんごなどの収穫体験に取り組んでいます。本当にお世話になっていますので、送り迎えの際に農協の方とすれ違いましたらご挨拶頂けると助かります。

以上

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